千綿偉功的日々 Hidenori Chiwata Official Website

 
千綿偉功的日々
Top Information Profile Discography
Entry
Archive
Chiwata's Diary
2021/08/30 15:43 『最近の出来事』

突然ですが問題です!(汗)


先日、Gibson J-45 (※愛称:ギブ美) の "ある部品"を交換したのですが、それはどの部分でしょう?

1枚目(上)の写真は以前(買った時のまま)の状態。
2枚目(下)が交換後です。


IMG_9028.jpg


IMG_9039.jpg


替わったのは1ヶ所だけ!!
みんな 分かるかな~?


正解は...


ブリッジの部分にある、白く細長いパーツ「サドル」でした!!
1枚目の写真と比べると、ホワイトニングした歯みたいに白くなってますよね?(もっと真っ白な芸能人の方も多数いらっしゃいますが...)

その「サドル」を交換した経緯を詳しくご説明します!


まず...

約3年半前に購入したこのギター「Gibson J-45 Early 1960's (愛称:ギブ美)」は、その商品名の通り、近年に製造された1960年代モデルなのですが、同じ "J-45" という型でも造られた年代によって 使われているパーツの材質やフォルムが微妙に違うんです。

例えば、

・ネックの幅や厚み
・ヘッドの傾き角度
・ピックガードの形

などなど。

そんな 沢山ある違いの中の1つに「ブリッジ部分」の特徴があります。

ギブ美を手に入れる前は、1998年に購入したビンテージ[1967年製]のJ-45(愛称:ギブ子)を20年程ずっとメインで使っていたんですが、そのギブ子のブリッジ部分の仕様が たまたま「アジャスタブルサドル」だったんです。

補足すると...

アジャスタブルとは「アジャストできる」、つまり「調節できる」サドルという意味です。
ビンテージのJ-45でも、割合で言うと アジャスタブルではないサドルの方が圧倒的に数が多いんです。
多くのギターでは、ブリッジ部分にハメ込まれていて、アジャスト(両脇のネジで高さの上げ下げ調節)が出来ない構造になっているため、サドルの高さ調整をする場合は一度サドルをブリッジから引っこ抜いて、底の部分を紙ヤスリ等で削って薄くするか新品を取り付けるか、など、ちょっと手間がかかるんです。
ギブソンに限らず、他のほとんどのメーカーの ほとんどの種類のギターが、ハメ込み式になっています。

では、なぜ当時、僕がアジャスタブルサドルのビンテージJ-45を買ったのかと言うと...。

Eのコードを一発ジャラーンと鳴らしただけなのに、その響きがキラキラしていて "一目惚れ"?いや  "一聴き惚れ"してしまっただけなんです(笑)

3日間で30軒程の楽器屋さんを回り、50本近くのJ-45を試奏させてもらって、『な~んだか 全然 ピンとくるのが無いな~』と想いながら 電車の乗換ついでに最後に立ち寄ったのが、新宿の新星堂 ROCK INN。
そこでギブ子と出逢ってしまった訳です。
大袈裟ですが、僕の中では「運命的」だと今でも感じています(笑)

で、後になって、結局 僕は、なぜギブ子の音が好きなんだろう?と考えたのですが、その答えが、この「アジャスタブルサドル」の材質である"セラミック"に大きく関係していると知りました。
(※一般的に、サドルの材質として使われるものには、牛骨、象牙、プラスチック、合成樹脂、ブラス(真鍮)、などがあります)

そもそも、「J-45」とは「Gibson」が 1942年に発売を開始したアコースティックギターのモデル名で、先にも言いましたが J-45全てが「アジャスタブルサドル」を使用している訳ではないんです。
ネット情報によると、1956年から1969年までの10年強の間にしか製造されておらず、発売から年数が経つにつれてサドル自体の材質も変わっていったとのこと。
さらに。
僕の1本目の相棒であるビンテージ「ギブ子ちゃん」のアジャスタブルサドルにも付いている「艶なし」のセラミックを使って作られたのは、1960年代中期以降から1969年までの僅かな年数しかないということ。

その点を考えても、この娘(ギブ子)に出逢えたのは、やっぱり「運命的」だと言っても過言ではないかなと(笑)


・・・何だか前置きがとても長くなってしまってるような(汗)


あっ、

でね。


今回、なぜ、新しい J-45(ギブ美)のブリッジサドルを交換しようと思ったのか。(←ココが一番重要ですよね)
2018年に何かのタイミングで佐賀に帰った時、チャリティーライブ『HOME』の実行委員会が置かれているギターショップ「まる屋」に顔を出した際にギブ美と出逢って、その後 何回か試奏させてもらってるうちに恋に落ち、東京に連れて帰ることになった訳なんですが、僕の知識が足りず、「1960年代の復刻モデル」だという事だけで、てっきり、購入時に付いていたアジャスタブルサドルの材質も当然「セラミック」だと勝手に思い込んでいたのでした。
『それにしては、ギブ子とギブ美のサドルの色が違うんだよな~』なんて、おぼろげながらには思ってはいたんですけどね。
で、今年に入って、東京でいつもお世話になっているギターショップにギブ美のメンテナンスをお願いしに行く機会が何度かあった中でアジャスタブルサドルについて色々と話を聞いていたところ、「やっぱりセラミックの方が音の抜けは良いんですよね~」という店長さんの言葉が!!!

『えっ!コレってセラミックじゃないんですか?』(←千綿 フリーズ)





そりゃそうですよね。純正のセラミックを使ったアジャスタブルサドルは、僕が産まれる3年前の1969年までしか作られてないんですもんね。





そんな経緯がありまして、今回、晴れて、純正セラミックのサドルに交換した訳であります。。。


ちなみに、購入時から付いていたサドルの材質は「象牙」を人工的に作った「タスク」と言われるもので、既存の材質の中では最も「セラミック」に近いと聞きました。
なので、今まで知らずに弾いていても決して『音が悪い』と思った事もなく、現に、色々なメーカーのギターのサドルに用いられています。
ただ・・・やっぱり・・・真実を知ってしまうと・・・。
もともと好きになった「ギブ子」の音に少しでも近づけたい!という想いが日に日に大きくなり、交換することを決断したのでした。


そもそも「セラミック」とは、陶石や粘土など 天然の鉱物を混合し、成形→焼成するという方法で作られる、言うなれば「陶磁器」と同等の物質です。
最初から付いていた「タスク」に比べると比重も大きく硬度も高いので、ブリッジから出ている弦が最初に触れる部位=サドルの材質が変われば、当然 音の鳴り方も違ってくるという訳です。

セラミックに変えたらどのギターも音が良くなるのかと言われれば、そこは、ギター自体が持っている「自然な鳴り」との相性や、弾き手の好き嫌いもあるので、一概に「良し」とは言えませんが、僕(ギブ美)の場合、実際のところ、明らかに音の響き方が変わりました。
中低音のパワーも増したし、抜け具合もバランスも、前より改善されたように聴こえます。
それを裏付けるように、「もともと良い音してましたけど、セラミックに変えたらビンテージのような深みが出ましたね!」と、ギターショップの店長さん(※数年前に坂本サトルさんから紹介してもらった信頼できる方です!)からも嬉しいお言葉をいただきました。


という訳で。。。

早く有観客ライブが開催できるようになって、会場で、今のギブ美の音をみんなに聴いてもらいたい!と、強く強く願っている今日この頃です。


最後まで、お付き合い、ありがとうございました m(_ _)m


みんな、くれぐれもコロナ(デルタ株)には気をつけんばよーーー!

そいぎ、またね。

Search
Hidenori Chiwata Official Website